2012/05/12

健康食品と医薬品の併用による相互作用

毎日の生活の中で、不規則な食習慣を補おうと健康食品やサプリメントを利用している方も少なくないと思いますが、禁煙は医薬品に似た作用を持つものも増えてきました。特に糖尿病、高血圧、肥満を対象としたものは、特定健康食品のように医療用医薬品と近似する働きを持ち合わせていることもあり、注意が必要です。

相互作用に注意

高血圧症(血圧140/90)、糖尿病(HbA1c5.8)のために補助的に特定保健用食品を服用し始めた女性を例に見てみます。医師からするとこの数値で、価格の高い補助食品を摂取する必要はないと考えがちですが、患者はできるだけ薬を減らしたいと思いますし、ネット上の広告文に釣られて(?)服用しているケースもあります。

服用している健康保険洋食品は高血圧に対してはペプチド系、糖尿病にはデキストリン系の2種類を摂取しています。ペプチド系は、ACE活性阻害作用があり、医薬品に比べるとはるかに頻度は少ないものの、空咳の副作用があります。この患者さんは同じ咳の副作用があるレニベースを服用しているので、特定健康保険食品を摂取する前は発現しなかった空咳が現れたとも考えられます。

薬剤師が疑義照会を行ったところ、血圧も少し高めなので、レニベースをミカルディスに変更し、健康食品は摂取しないという指示も追加しました。また、糖尿病に関する保健機能成分である難消化性デキストリンは、糖の吸収を遅らせ、血糖の上昇を遅らせます。糖類分解酵素活性阻害作用を有するものを含め食後の血糖値の上昇を緩やかにする特定健康保険洋食品は、α-グルコシダーゼぞがいやくに似た作用を示すものがほとんどです。

ベイスンを服用中でHbA1cも良好なことから、医療用医薬品と似た特定保健用食品は摂取する必要はないですし、万が一、低血糖を起こしてはいけないので、中止の指示が出されました。

2012/01/11

制度確立の前にNPの教育がスタート

2008年に大分県立看護科学大学大学院修士課程において日本初となるナースプラクティショナー(以下、NP)の教育が始まったのを皮切りに、既に複数の大学院修士課程でNPの教育が実施されるまでに至っています。

日本の医療保健体制のなかでは、チーム医療という考え方が不可欠であり、更に看護師の業務・裁量範囲を拡大したNPの導入が必要であると各大学が判断したためです。また、制度の確立を待っていては、多くの医療先進国でなくてはならない存在になっているNPが、日本でいつまでも実現しない、更に看護の現状は自立には程遠いと考え、看護師のキャリアアップ、改革への一歩のためにNPの教育をスタートさせました。

NPはアメリカで始まった制度で、法体系、医療保険制度が異なり、日本版NP制度を確立していく必要があり、日本NP協議会を中心に各大学が連携を取り、関係者の協力を絵ながら検討を勧めています。

2011/11/21

旅行先(海外)で医薬品を購入する際の注意点

海外への旅行や長期滞在をした際、日本から持参した薬が足りなくなり、かといって医師にかかるほど症状が酷くない場合(風邪や下痢、発熱、頭痛など)は、日本国内と同様に海外の市販薬を買って服用すればいいでしょう。最近は風邪薬でも水名で飲めるとロー地上のものや味付けにも工夫がされており、服用しやすいのが特徴です。下痢止めはどの国でも共通した成分のロペラミド(loperamid)があります。

日本と同じく、空港には必ず、そして大都市なら町中のいたるところに薬局あります。例えば、ヨーロッパやアジアの都市は緑十字のマークが薬局を探す際の目印になります。またハワイやアメリカ本土はショッピングセンターの一部が薬局になっており、営業時間も長いので便利です。空港や街中のドラッグストアには絆創膏からティッシュ、生理用品なども揃います。長期の旅行でも未開の土地を行くように、大量に薬や衛生用品を持参する必要はありません。必要になったときには旅先で調達するようにすれば、スーツケースのスペースの節約にもなります。

欧米や中国でもアスピリン(aspirin)などの主要の薬は、箱の表示は異なっていても(ex:日本ならバファリン)成分は同様です。箱には現地語と英語が併記されていることがほとんどなので、箱の表示を見て購入すればよいでしょう。自分で判断がつかない場合も心配ありません。日本と同様に海外の薬局にも薬剤師がいるところがありますので、医療会話が載っている英会話の本などを参考に自分の症状に合った薬があるかどうかを訊いてみましょう。特に大都市の薬局ならフランスやイタリア、スペイン、ドイツ、アジア各国を問わず、英語がほとんど通じます。

中国や東南アジアでは抗菌剤や抗生物質も市販されていますが、下痢などに乱用するのはやめましょう。また成分不明の薬や、使用期限切れ、そもそも期限表示のない現地の薬は控えたほうがベターです・なかには中国のある種の漢方薬のように有効なものもあると思われますが、市販薬とはいえ薬は諸刃の剣です。体に合わなかったり副作用でかえって体調を崩さないとも限りません。

2011/09/22

遺伝子変異が原因となる「がん」

私達人間の体はおよそ60兆個(!)の細胞から作られていますが、細胞には古くなると自ら死んでいく「アポトーシス」という仕組みが備わっており、減った分は、細胞分裂で出来た新しい細胞によって補われます。その制御バランスが崩れて、細胞がどんどん増殖すると、本来ありえない異常な塊となります。これが「腫瘍」で、悪性のものを「がん」といいます。

細胞が異常に増殖する主な理由は遺伝子(DNA)にあります。DNAにいくつもの変異が重なり、アポトーシスやその他の細胞と強調プログラムが呼称して修復されないと、増殖に歯止めがかからないと考えられます。そのメカニズムは複雑なため、完全な解明にはまだまだ時間がかかります。

DNAの損傷による発がんは、放射線、紫外線、化学物質、喫煙、アスベスト、物理的刺激など様々な原因で起こります。肝臓がんはB型・C型の肝炎ウイルス、子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが主な原因で、胃がんは最近になってピロリ菌が関与していることがわかってきました。治療は抗がん剤による化学療法、放射線、手術がメインとなります。がん細胞だけを狙い撃ちする抗がん剤の登場など、近年は治療に大きな進歩が見られています。

細胞が増殖するもう一つの理由は年齢です。年をとるとDNAの複製ミスが起こりやすくなり、それに比例して損傷も増えるためです。がん患者は年々増加の一途を辿っていますが、最大の理由は高齢化の進展なのです。部位や種類によっては治療成績が厳しいものがありますが、治療法の進歩に伴い、成果の目安となる5年生存率は多くのがんで向上しています。

2011/09/21

救急患者に24時間対応するER

救急の場合、はじめから病院で診察を受けたいという患者意識や、一次(外来で対応可能)、二次(入院や手術が必要)、三次(生命にかかわる)という救急の分類を患者側や救急側が行うのは困難であるという視点、また、地方などでは周囲に一次・二次救急を担う医療機関が不足しているなどの理由からER(Emergency Room)を設置する病院が出てきました。

ERは北米型ERとも言われ、アメリカのテレビドラマでも有名になったように、主として北米の病院で行なわれている救急システムです。ERは原則として、救急でが依頼する患者を24時間365日体制で受け入れています。

患者は、医師などによって重症度別に優先順位を付けられ(トリアージ)、軽度のケガや風邪などの場合はERや救急診療科で治療を受け、重篤な患者の場合は救命救急センターで手術を受けるなど、状態に応じた適切な処置を受けることができます。

2011/09/20

内視鏡検査の医師アルバイト

先端についたレンズやカメラがついた細い管を口やお尻から体内に入れて、ビデオスコープの映像を見ながらいや十二指腸、大腸などの消化管内部を調べるのが内視鏡検査です。管は以前に比べて細くなったといっても、まだまだ違和感が強く、「オェッ!!」となる人も多いでしょう。そんな患者さんの負担を軽くするために、直径数ミリの管を鼻か入れる経鼻内視鏡が、負担が少ないと好評です。最新の検査機器を備えた病院が近所にあるなら、訊いてみるとよいでしょう。

内視鏡検査では、先端にからさまざまな処置具を出すことができるため、その場でがんやポリープの治療もできます。

現在の内視鏡はスコープという管の先端に、ハイビジョン映像が得られる超小型のCCDが組み込まれた電子スコープが主流です。医師は電子スコープを捜査して検査や治療を行います。

また、近年その発展が著しいのが、長い小腸の検査を目的に開発されたカプセル内視鏡です。これは2.5cmくらいのカプセルを口から飲み込むと、消化管の動きに合わせて進み、毎秒2枚のペースで小腸の画像を体に装着したデータ記憶装置に送るという優れものです。

2011/09/19

生化学検査

健康診断や医療機関を受診した際に、体の状態を知り、病気を発見する目的のために行われるのが、静脈から採血して行う血液検査。血を見ただけで貧血を起こす私にしてみれば、採血する方もされる方も尊敬しちゃいます。

血液を試験管に入れてしばらく置くと、赤血球などの沈殿物と、半透明の上澄みに分かれます。後者は血清と呼ばれ、水分のほか、色々な酵素やたんぱく質、糖質、脂質、老廃物などを含んでいます。

それらの濃度などを測るのが血液性化学検査です。医療機関や外注先の検査会社の臨床検査技師が、今は自動分析装置を使って調べます。項目ごとに基準値があり、その範囲を大きく外れた値だと、健康に何か問題がある確率が高いわけです。

例えば、アミノ酸を作る酵素のALTは肝臓に多く、健康なときもある程度は血液中に出ていますが、肝細胞が壊れると大量に流出します。このためALTの値が高いと、肝臓の障害が疑われます。

大抵の項目の基準値は、検査すると、95%の人がその範囲に入るという統計的な線引きをしたもので、実際の病気との関連を学会が調べて定めた項目はごく一部です。このため、正常値という呼び方はあまりしなく成りました。

個人差は勿論、妊娠、時間帯による変動などで異常な値が出ることもあります。数値に一喜一憂するのではなく、各項目の意味を理解して判断材料にしましょう。